『チュパカブラ』-著 湊かなえ-

 「チュパカブラ」と「ユートピア」で韻が踏めます(は?)。どうも、僕です。

 

 湊かなえの『ユートピア』を読みました。湊かなえファンを自称している僕ですが、そもそも湊かなえくらいしかまともに複数作品読んだ作家がいないから好きランキング暫定トップみたいなとこがあります(湊作品すらギリ両手に到達する程度の数しか読んでませんが)。M-1決勝の第1組目みたいな状況。それを抜きにしても、『ユートピア』僕は好きでした。

 湊かなえといえば「イヤミス」=「後味が悪い」作風で有名ですが、個人的にはそれほど後味悪いか?と思ったりします。『告白』がすごすぎたんですかね。「僕的湊作品おすすめポイント」を挙げるなら、「ラスト数行でのどんでん返し」「登場人物の主観の強さ」だと思ってます。「やる気出たし湊かなえ作品の魅力について書ーこお!」なんてルンルンしてたら後者は巻末解説に書かれてて泣きました。二番煎じになっちゃった。それでも書きます。

 前者は湊かなえが「イヤミスの女王」と呼ばれる所以だと思います。先述の通り僕は後味悪さというよりは裏切られた快感みたいなものが勝るんですが。まあミステリーにどんでん返しは求められるし、これを好きと言ってる僕の読書レベルが低いだけなのかもですが、それはご勘弁ということで。『リバース』なんか良かったですね。途中まで「......??いまいちだぞ???」と思っても最後まで読み切るのがポイントです。

 後者は多分どの作品のキャラクターにも言えることで、どいつもこいつも自分からの景色しか見えてなくて、同じ出来事・言葉・行動etc...でも全然感じてることが違うんですよ。そりゃ当然のことではあるんですが、徹底的に全員が自己中心的に喋るもんだから読んでて腹立ってくるレベルです。よく一人でこんなに毛色の違った自己中たちばっか書けるなと感心しちゃいます。『夜行観覧車』『高校入試』あたりは顕著だと思うんですが、子供をどうこうしようって親が特にイライラする。子供も子供でDQN多いし。良い意味で周りに気づかいできる人出てきたっけ?少なくともパッとは思い出せません(『リバース』の主人公はまともだったかも...?うろ覚えなので信憑性ゼロ)。

 

 『ユートピア』はこの2つの要素がわかりやすく味わえたので、お手軽に楽しめました。「ミステリー部分が手垢べったりで駄作」みたいな書評も見ましたが、僕の経験値不足が幸いして面白く読めたのかもしれません。結論は、湊かなえおすすめだよということです。ミステリー探してるけど決めらんないな~なんて方はぜひ。代わりに(?)、おすすめ作家募集もしてます。今読まなきゃならないのは分厚い専門書と英語の論文ですが。Essential細胞生物学読むのしんどいよ~~(和訳がカスなので)。

 

 以上です。お付き合いありがとうございました。

 

おわり